木と対話する 片田学さんを訪ねて。

南アルプスの山々を望む自然豊かな山梨の町で、木の器を作る片田学さん。昨年12月、慌ただしい年末の最中に工房を訪問させていただきました。

 

片田さんは長年に渡る家具製作工房での修行を経て、現在は自宅に隣接する工房で作品制作をされています。

 

案内された広い工房内には、たくさんの木材と大きな機械が数台。でもほとんど機械は使わず、刳り貫きから成形、彫りまでをノミや鉋を使い丁寧に手作業で仕上げるそうです。

穏やかな語り口調と素朴な佇まいの中にしっかりと軸がある片田さんは、作品を初めて手にした時に受けた印象とまったく同じでした。

 

「ここに来る木は大きさも厚みも表情もそれぞれ。どの個性も無駄にしないように、その時々の木と向き合いながら、使う人を思いながら自分にできる仕事をします」

 

そう話しながら見せていただいた作品は、大きさも形もほとんど同じものがなくどれも一点もの。

 

片田さんの心に響く作品は、16日から始まる「奏でる、春の三人展」で初お披露目です。

木とどんな対話をし、どんな表情が生まれるのか、私もとても楽しみです。

 

       
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  • 陶芸の町笠間へ 中野明彦さんを訪ねて。

    昨年末、茨城県は笠間市で作陶されている中野明彦さんの工房を訪問させていただきました。

     

    中野さんは同県日立市のご出身。2004年に笠間の陶芸家小林三千夫・優子両氏に師事し、その後2008年に独立、笠間市内に自宅兼工房を構え作陶されています。

     

    友部駅から車で5分ほど、長閑な自然に囲まれたお屋敷のような趣のある家屋。天井高の広々と開放感のある別棟を工房にされていました。

     

    中野さんの器を初めて手に取った時、その色彩の美しさに心惹かれたのを思い出します。

    案内された工房内で目を引いたのが、たくさんの釉薬のテストピース、そして細かな配合のメモ、教本…これほどのこだわりの先に、あの繊細な色の重なりを生み出すのかと腑に落ちた瞬間でした。

     

    この破片がすべて釉薬のテストピースだそう。

     

    お茶をいただきながら、3月の企画展の打ち合わせ。棚にずらりと並ぶ美しい作品から、展示用にいくつか選ばせていただきました。

    穏やかに話す中野さんの作品に対する実直な姿勢と背景に見える作品がリンクして、なんだかとても心地よい時間を過ごすことができました。

     

    16日からの「奏でる、春の三人展」では、気軽に普段使いして欲しいと言う中野さんの定番の器メインに並ぶ予定です。

    シンプルなデザインの中にある、色彩、質感、奥行き感をぜひご堪能いただきたいです。

     

           
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  • 奏でる、春の三人展


    今年最初の企画展は、久しぶりに食卓周りの作品が並びます。

     

    当店では初めましての陶芸作家中野明彦さんと木工作家片田学さん。そして昨年末にご紹介しました染織作家の岡田鹿乃子さんによる三人展。

     

    片田さんと岡田さんの素材を生かした温もりある作品に、中野さんの春の花のようなやさしい器を添えて。

    お花見散歩がてら、ぜひお運びください。

     

    次の投稿では、中野さんと片田さんの工房の様子をご紹介します。こちらもぜひご覧ください。

     

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    生命が芽吹き、季節は楽しげに色づき始めるころ。

    徐々に近づく春の足音を、木と土と糸がゆるやかに奏でます。

    3名の作家によるこころに響くテーブル三重奏を、

    春の陽気とともにお楽しみください。

     

    【参加作家】

    ・中野明彦(陶芸)

    茨城県出身。笠間市の陶芸家 小林三千夫・優子両氏に師事。2008年同市にて独立、自宅に工房を構え作陶する。

    ・片田学/トロワ(木工)

    山梨県出身。愛知の家具製作工房で7年間修行した後、2015年独立。地元山梨に工房を構え木の器を制作する。

    ・岡田鹿乃子/野の布(染織)

    東京都出身。地域おこし協力隊として大分県由布市へ移住。3年の任期を終え、2023年より本格的に作家活動を始める。

     

    【日時】

    2024/3/16(土)〜24(日)11:30〜17:30

    ※21(木)は休業日

    ※16日(土)片田学さん在店

     

    【場所】

    日本の手仕事の店 ちゃらっぽこ

    東京都練馬区桜台5-11-18 欅の音terrace208号室(2階)

           
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  • 布作家edaとIron warm_ plus

    何気なく布のマットを探していたところ、ふと目に止まったのがedaさんの蚊帳でできたランチョンマットでした。

    その何とも言えない不思議な世界観に心惹かれ、どんな人が作っているのだろう、もっと作品を見てみたいと思ったのが工房を訪ねるきっかけでした。

     

    住所を頼りに辿り着いた場所は、千葉県松戸市のとある鉄工所。天井の抜けた半屋外のような無骨な作業場に、機材や鉄のテーブル、古い自転車やランプ・・・初めて見たときの衝撃は今でも忘れられません。

    本当にここ⁈

     

    そこは、ご主人である伊香賀大祐さんの実家の元鉄工所で、今は大祐さんがアイアンワークの工房として使われているそうです。

    その2階の一部を改装して、奥様であるeda静枝さんとおふたりの作品を展示するギャラリースペースとなっていました。

     

    大祐さんは、鉄素材を生かした店舗什器や看板、備品などをオーダー制作する傍ら、廃材や古材と鉄を組み合わせたオブジェやランプなどのアート作品も製作されています。

    古いものを無駄にせずそこから新しい価値や美を見出す、という点では、古布を使う静枝さんのものづくりの基本と共通するところ。布と鉄という全く異なる素材を使いながら、おふたりの感性から生み出される個性豊かな作品たちは驚くほどにしっくりと調和し、その世界観に一瞬にして虜になってしまいました。

     

    作品もさることながら、長い時間おふたりとお話をさせていただくうちに、そのお人柄にすっかり惚れ込んでしまいました。

    自分たちの価値観を大切に、決して無理をすることなくできることを糧に、日々の暮らしを営みそのまわりの人たちを大切にされている。それが何とも自然に実践されているからこそ、人が集まり、また作品に豊かさが生まれるのだろうと感じずにはいられません。

    とっても仲の良い素敵なご夫婦で、やさしくてゆるやかで大好きなおふたりです!

     

    18日から始まる「eda 個展 -ないしょの国のものがたり-」では、静枝さんの作品がメインですが、大祐さんの鉄の作品も少しだけ展示させていただく予定です。

    おふたりの素敵なギャラリーをお店で再現したい、たくさんの人に共有したい、そんな想いが届けられる展示になれば幸せです。

     

     

           
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  • eda 個展 -ないしょの国のものがたり-

     

    eda個展DM 


    寒い季節の始まりに、心がほんわりあったまる作品に出会いませんか?

    11月は、当店では初めてのご紹介となります布作家edaさんの個展を開催いたします。
     

    まるで絵本から飛び出したような、可愛らしくてちょっと不思議な布作家edaの世界。
    今展では、人形や型染めバッグ、蚊帳のテーブルマットなど個性豊かな布作品とともに、やさしくて温かみのあるedaの好きな絵本をセレクトして展示し、作品とあわせてお楽しみいただきます。

    街が忙しくなる前の穏やかな11月。絵本片手にゆったりとしたひとときをお過ごしください。

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    eda 伊香賀 静枝
    古くなり使われなくなった布に美しさを見出し、
    染めたり縫ったり丁寧に息を吹き込みながら、
    暮らしに寄り添い心温まる布作品を作る。
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    【日時】
    2023/11/18(土)〜26(日)12:00〜17:00
    ※22(水)は休業日
    ◎作家在廊日: 18日(土)

    【場所】
    日本の手仕事の店 ちゃらっぽこ
    東京都練馬区桜台5-11-18 欅の音terrace208号室

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    絵本選書協力: ALDO(アルド) ー 当店より徒歩30秒にあるギャラリーカフェ。書籍や絵画などの展示販売も。
    photo: Kengo Ishii

     

    edaさんとの出会いや工房については、次回の雑記帳で詳しくご紹介させていただきますね。

    ぜひご一読くださいませ!

           
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  • ナデシコのテシゴト展2023

    昨年ご好評いただきましたナデシコのテシゴト展、今年も開催いたします!

     

    今回は、ほくるし堂とglass accessory tubuのお二人の作家にご参加いただきます。

    漆とガラス。それぞれが異なる素材を用いながら、唯一無二の個性と手技で表現する珠玉の作品の数々が並びます。

     

    お二人に会う度に、新しいことにチャレンジし、より楽しく、より個性豊かに作品が進化していく過程を見てきました。

    初めての方もそうでない方も、彼女たちの今表現したいことを楽しんでいただけたらと思います。

     

    会期は前編と後編に分け、それぞれのテシゴトの妙をじっくりとご覧いただけるよう、ポップアップ形式での開催となります。
    一年を経て、より熟練されたナデシコの作品たちをぜひご覧ください。

    【参加作家】
    〈前編〉21日(土)より ほくるし堂(漆) ※在廊なし
    〈後編〉28日(土)より glass accessory tubu(ガラス・真鍮) ※28日(土)終日在廊

    【日時】
    2023/10/21(土)〜11/1(水)12:00〜17:00
    ※26(木)27(金)は休業日
    ※17:00以降はご予約いただければご来店いただけます

    【場所】
    日本の手仕事の店 ちゃらっぽこ
    東京都練馬区桜台5-11-18 欅の音terrace208号室(2F)

     

    イベントに関する詳細はホームページに掲載しております。ご来店時のお願い事などいろいろありますが、みなさまがゆっくりと作品を楽しんでいただけるよう、どうぞご協力お願いいたします。

    出展作品に関しましては、少しずつインスタグラムでご紹介していきますので、そちらも是非ご覧ください。

           
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  • 【重要】サイトが安全に表示されるようになりました

    先日通販をご利用のお客様より下記のようなご指摘をいただきました。

     

    「お店のこと」というページを開こうとすると、「このページはあなたの金融情報を盗もうとしている」と出てくるのですが買い物しても大丈夫なのでしょうか?
     

    サーバーを調査したところ、SSL(インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのひとつ)証明書の期限切れであることがわかりました。すぐに設定をし直したところ、問題なくサイトが表示されるようになりました。

     

    「接続はプライベートではありません」

    「このサイトは安全に接続できません」

     

    などのような表示をご覧になった一部のお客様には、大変ご心配をおかけし心よりお詫び申し上げます。

    これからもみなさまに安心してお買い物を楽しんでいただけるよう努めて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

     

    ちゃらっぽこ店主 鈴木

           
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  • 雪の福島へ、フじイまさよさんを訪ねて。

    全国的に雪予報だった先週末。新幹線がとまるかどうかという不安の中、およそ3年ぶりの福島へ行ってきました。

    3年と言っても、いつも訪れるのは会津方面なので、福島市内への旅はおよそ10数年ぶり。刺し子織りでお世話になっている三和織物さんを訪ねて依頼でした。

    初めましての陶芸作家さんを訪ねること、それが今回の旅の目的。

     

    フじイまさよさんの作品との出会いは、米炊き用の土鍋を探している時でした。いわゆるよくある土鍋の形ではなく、できるだけコンパクトでマルチユースに対応できそうなデザインのものを求めていたのですが、まさにフじイさんの土鍋が理想のそれだったのです。


    工房は、自宅内一角の土間スペースにありました。5年ほど前に東京から自然豊かな福島へ移住し、福島市内の閑静な住宅街にある自宅に工房を構えたそうです。東京では、長年陶芸教室を主催されていたキャリアの持ち主。福島へ来てからは、その土地に魅了され作家活動に専念されています。


    庭に面した作業場は、季節の移ろいを直に感じることができます。自然の香りや植物の変化を見るのが好きで、そこから受けるインスピレーションを作品作りに生かしていると語るフじイさん。時間の流れを感じながら彼女の手で作られる器たちは、穏やかに呼吸しているように感じます。


    これからゆっくりと丁寧に、フじイさんのあたたかみのある器たちをご紹介してゆきますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

     滞在中、フじイさんお手製のランチとおやつをいただきました。ご本人の器に盛りつけていただけるというなんとも贅沢なひととき。


           
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  • ナデシコのテシゴト展

    2年前の5月、開催を見送って以来ずっとあたためてきた企画展が、作家さんたちのご協力により、ようやく来月に開催が決定いたしました。

     

    参加いただくのは、日頃から当店に彩りを添えてくれる3名の女性作家(伯兆・glass accessory tubu・ほくるし堂)です。

    彼女たちの作品作りに対するこだわりや探求心は、他では見られない独特な世界観を作り出します。

    「螺鈿蒔絵」「ガラス」「漆絵」という異なる手法や素材を用いながら、それぞれが唯一無二の個性や手技を表現した珠玉の作品の数々。

    一目見た瞬間に、心を掴んで離さない。そんなパワーを作品から感じていただけたらと思います。

     

    また今回は作品展示だけでなく、彼女たちの創意や工夫など、普段目にすることのないものづくりの裏側を、ちょっとだけ垣間見られるような展示にしたいと考えています。

    当店が誇る3人のナデシコの手から生まれる3種のテシゴトの妙を、ぜひ店頭にてお楽しみください。

    【参加作家】
    蒔絵屋 伯兆(螺鈿蒔絵)
    glass accessory tubu(ガラス)
    ほくるし堂(漆絵)

    【日時】
    2022/10/8(土)〜16(日)12:00〜17:00
    ※12(水)は休業日
    ◎作家在廊日は、決まり次第ホームページでお知らせいたします

    【場所】
    日本の手仕事の店 ちゃらっぽこ
    東京都練馬区桜台5-11-18 欅の音terrace208号室(2F)

    イベントに関する詳細はホームページに掲載しております。ご来店時のお願い事などいろいろありますが、みなさまがゆっくりと作品を楽しんでいただけるよう、どうぞご協力お願いいたします。

    出展作品に関しましては、少しずつインスタグラムでご紹介していきますので、そちらも是非ご覧ください。

           
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  • りえさんの夏に向かう服展

    昨年の夏よりお取り扱いを始めた市川りえさんのもんぺパンツ。意外に好評で、いつか受注会をやってみたいね、と話していたのが昨年末ごろ。なんと早くも実現してしまいました。

     

    当店初の衣服の展示、そしてりえさんにとっても初のもんぺパンツの受注会。カラーパターンや細かなオーダーはどこまで受けるか、などなど決まりきらないままドキドキの開催でした。

     

    店頭に用意したのは、無地と股切り替えありの15パターンのもんぺパンツ(麻と綿)。いざ始まってみると、サンプルであるものをそのままオーダーされる方がほとんどでした。そこにないものを想像するのって難しいですもんね。あとは、丈を少し長めに、腿を数センチ細めに、など細かなサイズオーダーにも対応していただきました。

    みなさん取っ替え引っ替え試着しながら、これも可愛い!でもこれも捨てがたい・・・などと悩みながら楽しんでいるご様子。その気持ち、すごく分かります笑

     

     

    長野の山で暮らし、自然と向き合いながら衣服を作るりえさんの居心地の良いもんぺパンツたち。少しずつ広まって、日常着として愛用してくださる方が増えていったらいいなあ。

     

    今回のオーダー分は、7月上旬のお届け予定です。ご注文くださったみなさま、本当にありがとうございました!これから迎える夏のお気に入りの1着となりますように。

     

     

    そして、今回急遽お願いしてご用意いただいたtsunaguさんの帆布バッグ。こちらもたいへん好評で、もんぺパンツと合わせてご購入下さった方も!また何かの展示でゆっくりとご紹介できればと思います。tsunaguさん、りえさん、そしてご来店くださったみなさま、本当にありがとうございました。

     

           
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